カーミングシグナル27種類
犬のカーミングシグナルは、争いを起こらないようにするために
犬が出してくるサインになります。
これを理解することが大切と昨日のブログに書きました。
今日は、そのカーミングシグナルの具体的な例を書いていきます。
私たちは、カーミングシグナルを読み取って、それにあった対処をすることが必要になります。
今日の内容
目次
カーミングシグナルとは
カーミングシグナルはノルウェーの動物学者であるテゥーリッド・ルーガス氏(Turid Rugaas)が提唱し、現在27個以上あります。
Calming Signalの「Calming」は”落ち着かせる”
「Signal」は”信号”との意味です。
Calming Signalは「自分と相手を落ち着かせるための合図」「敵意がないことを示す」などといった意味を持っています。
カーミングシグナル27種類
- そっぽを向く
- 顔や目をそらす
- 地面の臭いを嗅ぐ
- 体を振る
- 口や鼻の周りをなめる
- 口をパクパクさせる
- ゆっくり歩く、動く
- お辞儀のポーズをする
- 座る、伏せる
- 前脚を上げる
- あくびをする
- 間に割って入る
- 背中を向ける
- 歯をカチカチと鳴らす
- くしゃみをする
- 体をかく
- おしっこをする
- 人の顔をなめる
- 鼻を持ち上げる
- 尻尾を振って体を低くする
- 子犬のようにじゃれる
- 犬同士が顔を見合い口元を後ろへ引く
- その場所にいないように振舞う
- 固まる
- しようと思ってできなかった行動を別の行動に転移する
- カーブを描きながら近づく
- しっぽを振る
*その他
カーミングシグナルの解説
不安を相手に伝えるシグナル
カーミングシグナルには様々のものがありますが、不安を感じいることを相手に伝えるものがあります。
Let’s tryは人ができるカーミングシグナルです。
愛犬が不安に思っているときなど、シグナルを出して「大丈夫だよ!」と落ち着かせてくださいね。
1.そっぽを向く
興奮している相手を落ち着かせるたい、敵意がないことを示しています。
見られる場面
- 他の犬に出会った
- 叱られているとき
Let’s try
犬が興奮しているときに体ごと横を向いて落ち着かせてください。
2.顔や目をそらす
相手に対して敵意がないことを伝えるときに。
「目をそらしてそっぽを向く」行動から「地面のにおいを嗅ぐ」という行動が組み合わさって見られることが多いようです。
飼い主さんに叱られている目をそらすだけでなく体全体を背け、興奮している相手を落ち着かせようとします。
見られる場面
- 初対面の犬に会った場合
- 飼い主さんに叱られる
Let’s try
恐怖を感じている犬がいたら、犬を見るのをやめて、顔の向きを変えましょう。
3.地面のにおいを嗅ぐ
興奮や不安な気持ちを落ち着かせるために、犬は地面のにおいを嗅ぐことがあります。
相手を落ち着かせるときにも使います。
見られる場面
- 初めての場所や慣れない環境
- 叱られてとき
- 他の犬に会ったとき
Let’s try
鼻をつけることは難しいので、地面や床を手で穴を掘るような仕草をしてみてください。
4.体を振る
子犬や老犬、被毛の少ない犬種は寒さに弱く、体が濡れたときや気温が寒いときに体をブルブルと震えさせることがあります。
このような身震いは生理的現象ですが、それ以外にも犬はよく気分を落ち着かせようとしている場合、身震いをすることがあります。
見られる場面
- 犬が不安から落ち着こうとしている場合
- うれしいことがあったときに場合
5.口や鼻の周りをなめる
緊張や不安でストレスを感じており、自分を落ち着かせようとしていることが考えられます。
鼻をなめるために舌を出すことで、相手に敵意がないことを伝えています。
見られる場面
- 散歩中に知らない人が近づいてきた
- 自分の苦手なことをされたりしたとき
Let’s try
怖がっている犬に対して自分の唇をなめて敵意がないことを知らせてあげましょう。
自分を落ち着かせるシグナル
興奮しすぎた自分を落ち着かせるシグナルです。
6.口をパクパクする
犬が興奮している状態のときに見られることが多いです。
犬は外で遊んでいるときなど、楽しくて興奮しすぎた自分自身を落ち着かせるために口をパクパクさせることがあります。
柴犬のように口が大きく、表情の変化が見わけやすい犬種は、口から様々な感情を読み取ることができます。
見られる場面
- 犬が興奮しているとき
- 楽しいとき
- 病院で緊張しているとき
敵意がないことを伝えて相手を落ち着かせるシグナル
敵意がないことを伝えて相手を落ち着かせようとします。
7.ゆっくり歩く、動く
犬がいつもよりゆっくり歩くのは、緊張を和らげるためのカーミングシグナルです。
通常の素早い動きを避け、ゆっくりと歩くことで気持ちを落ち着かせようとしています。
また、相手を刺激せずに落ち着かせようとしています。
見られる場面
- 怒られているとき
- 犬が急に現れたとき
Let’s try
犬が怖がっているときにゆっくりと動いて落ち着かせてあげてください。
8.お辞儀のポーズをする
頭を下げ、お尻を高く上げながら伸びをする「お辞儀のポーズ」は、
プレイボウ(Play bow)またはプレイングバウ(Playing bow)と呼ばれ、
相手に敵意がないことを伝えるとともに、一緒に遊びたい気持ちを表しています。
見られる場面
- 遊びたいとき
Let’s try
犬が遊びに誘ってきたら、同じポーズをしてお返事してあげてください。
外だと恥ずかしいので、おうちの中で!
9.座る・伏せる
興奮している相手の前に犬が座ったり伏せたりするカーミングシグナルは、自分の気持ちを落ち着かせたり、相手を落ち着かせようとしたりしているときです。
見られる場面
- ドッグランなどで他の犬と遊んでいるとき
- ただ単純に疲れている場合
- 意味のない行動のときにもあります
Let’s try
座って動きを止め、ゆっくりとした動きで安心させてあげてください。
10.前足を片方上げる
興奮や緊張を抑えようとしているカーミングシグナルです。
相手に敵意がないことを伝えると同時に、自分自身を落ち着かせようとしています。
それ以外にも、犬が飼い主さんに片足を上げてタッチするような場合、緊張を抑えているわけではなく何かを要求しているサインであることが多いです。
見られる場面
- ケンカしそうになっているとき
- 何か欲しいとき
エスカレートした相手を冷静にさせるシグナル
興奮している犬や人に対して、「冷静になって」と伝えるシグナル。
犬は、基本的に平和主義者です。
興奮している相手に対して不安を感じます。
11.あくびをする
犬のあくびは寝起きなどで眠いとき以外に、興奮している気持ちを落ち着かせるためのカーミングシグナルです。
飼い主さんに叱られてあくびをしているときは、
退屈しているのではなく、叱られていることにストレスを感じ、
あくびで不快感を緩和させようとします。
「これ以上叱らないでほしい」「飼い主さんに落ち着いてほしい」など、嫌なことを止めてほしいときに用いられます。
ですので、叱っているときにあくびしたからといって怒らないでくださいね。
見られる場面
- 飼い主さんに叱られる
- 散歩中に親しくない人が触ってきた
- 知らない犬が近づいてきた
Let’s try
犬が興奮しているとき、しつこく遊びに誘ってくるとき、怖がっているときに大きく口をあけてあくびをするようにすると犬がリラックスします。
12.間に割って入る
接近し、緊張関係が高まりそうなときに出します。
争い事を防ごうとしています。
犬が近づいたときに「やきもちやいているのね」と思ってしまいますが、
どちらかというと近く犬と人が争い事をしないように割って入ってくることのほうが多いです。
見られる場面
- 飼い主さんがケンカしている
- ケンカしそうな犬がいるとき
Let’s try
犬がケンカしそうなときは、間に割って入って落ち着かせてください。あまりに興奮しているときは、危険なので状況判断してください。
13.背中を見せる
犬は、飼い主さんに落ち着いてほしいという意味を込めてこういった行動を取ることがあります。
すねていたり、無視をしているわけではないのでもっと怒らないでくださいね。
見られる場面
- 怒られているとき
- 相手が興奮しているとき
Let’s try
犬が興奮しているときにゆっくりと背中を見せてあげてください。
14.歯をカチカチ鳴らす
不安感やケンカ腰になっている相手の犬に対して落ち着かせようとしているサインです。
犬は怖くて歯をカチカチ鳴らしているわけではなく、不要な対立を避けようとしてカーミングシグナルを出しています。
見られる場面
- ケンカになりそうなとき
- 歯周病など、口のトラブルが原因
15.くしゃみをする
犬は異物が鼻の粘膜を刺激したときだけでなく、自分の感情を表すときに「わざと」くしゃみをすることがあります。
これは、ストレスを軽減したり、相手が興奮しているときにそれを鎮めたりしようするためのカーミングシグナルです。
見られる場面
- ストレスを感じているとき
- 相手が興奮しているとき
リラックスしているときのシグナル
自分がリラックスしているときにでるシグナルです。
リラックスしているときなのであまり邪魔しないように。
16.体をかく
犬が体をかくカーミングシグナルは、体の痒み以外に、
「相手の気をそらす」「リラックスしている」という意味があります。
ストレスを感じる緊張状態から不意にリラックスするときや、意識的にリラックス状態を作り出そうとするときに後ろ足を使って体をかくことがあります。
見られる場面
- 飼い主さんに叱られる
- 散歩中に他の犬に遭遇したとき
愛情表現
愛情も体全体で表現してくれます。
犬の愛情を受け止めてくださいね。
17.おしっこをする
犬同士が認め合ったときや、散歩に連れて行ってくれる飼い主さんへ、愛情のサインとして、おしっこをすることがあります。
緊張しているときにも見られるので、他のボディランゲージも見て判断してください。
見られる場面
- 嬉しいとき
- 緊張しているとき
- 嫌なことをされたとき
18.人の顔をなめる
犬が人の顔をなめる理由には、「愛情表現」「おねだり」の2つの意味があります。
ごはんが欲しいときに飼い主さんの顔をなめるのは、飼い主さんを信頼している証でもあり、子犬が母犬に食べ物をおねだりするときの名残が残っているからでもあります。ただし、舐められすぎると感染症にかかってしまう危険があるので気をつけましょう。
顔をなめるカーミングシグナルは、基本的に信頼できる相手にしか取らないと言われています。
見られる場面
- ごはんが欲しい
- 散歩に行きたい
その他
27.しっぽを振る
しっぽの振り方にも様々な種類があって、振り方によって意味が異なります。
- ゆったり左右に大きく振る→親愛、信頼、信用
- しっぽと一緒に腰も大きく振る→幸せ、喜ぶ
- 激しく振る→喜び、興奮
- しっぽを下げてゆっくり振る→とまどい
他の体の部位やボディランゲージを見て判断してください。
犬のカーミングシグナルのまとめ
3日間にわたってボディランゲージ、カーミングシグナルについて書きました。
大好きな愛犬ともっと仲良くなるためには、
犬が出しているシグナルを読み取って答えてあげてください。
読んでわかるように、同じシグナルでもいろいろな意味があります。
他のシグナルやボディランゲージと一緒に読み取ってくださいね。
参考図書:テゥーリッド・ルーガス著『カーミングシグナル』